Woodsense CNC は、
自然素材である木材の ばらつき・癖・不完全さ を前提に設計された、
“自然に適応するCNC加工”のためのオープンプロジェクトです。
反り、ねじれ、節、硬さの違い。
それらは本来、木の価値であり個性です。
しかし従来のCNCは、
「均一な材料」「事前にすべて決まった形状」を前提に作られてきました。
その結果、山から丁寧におろされた木であっても、
加工の段階で価値を失ってしまうことが少なくありません。
Woodsense CNC は、
機械のほうが素材に歩み寄るという発想から生まれました。
Woodsense CNC は、
木材を 加工する前・加工中 にセンサーで観測し、
板の高さやうねり(Depth)
切削時の負荷や硬さ(モーター電流)
加工結果そのもの
をリアルタイムに読み取りながら、
「この木にとって、今いちばん無理のない加工」を
その場で判断・調整します。
これは、
事前にすべてを決めきるCAMではなく、
加工しながら学習・修正するCNCです。
私たちはこれを
適応加工と呼んでいます。
このプロジェクトが目指しているのは、
木工の熟練者の技を 置き換える ことではありません。
むしろ、
木工の専門家でなくても
山や地域の木に初めて触れる人でも
木の個体差を壊さずに活かせる道具をつくること。
それによって、
山からおろした木の価値が、加工で失われない
小さな工房や地域でも、高度な加工に挑戦できる
木材という自然資源が、より長く・豊かに使われる
そんな未来を実現したいと考えています。
Woodsense CNC は、完成品ではありません。
森が違えば、木が違う。
地域が違えば、使い方も違う。
ひとつの正解を持つ機械では足りないからです。
そのためこのプロジェクトは、
ソースコード
ハードウェア設計
実験データ
失敗のログ
を含めて公開し、
世界中の参加者と一緒に育てていくことを前提にしています。
失敗は隠すものではなく、
次の誰かの出発点になる資産だと考えています。
私たちのビジョンは、単なる機械開発ではありません。
地域・森林・技術・創作が、オープンにつながる産業構造です。
世界中の小さな工房や、山のそばで
Woodsense CNC が改良され、派生し、
それぞれの土地の木に最適化されていく。
その総体が、
「自然素材に適応する製造業」の新しい標準になる。
Woodsense CNC は、
その第一歩となるための、
オープンな実験場です。